『1930~40s WEウエスタン黄金期・銀 WESTERN ELECTRICトランス その③ 2個 ☆ Elan Vital』はセカイモンで6fec3601b3aから出品され、264の入札を集めて03月21日 11時 59分に、240000円で落札されました。即決価格は240000円でした。決済方法はに対応。石川県からの発送料は落札者が負担しました。PRオプションはストア、取りナビ(ベータ版)を利用したオークション、即買でした。
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「人生には二通りの生き方しかない。ひとつは、奇跡など何も起こらないと思って生きること。もうひとつは、あらゆるものが奇跡だと思って生きること。」 アルベルト・アインシュタイン
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出品は、1930年代~1940年代初頭のウエスタン黄金期に製造された、<WESTERN ELECTRIC REP. 150B>銀塗装品、2個体。革新的発明の粋ともいえるウエスタン秘伝の合金・冶金レシピで作られたパーマロイ系磁性体コア搭載。
そのパフォーマンス性能は実際の音を聴けばすぐに理解できる。
YouTubeに下記のパフォーマンス動画をUPした。真夏の録音環境のせいで、蝉やカラスの鳴き声等が一部混入しているが、まずはその傑出した音パフォーマンスを確認頂きたい。 (色文字をクリックするとLINK)。
139 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ③ performance test with : Balqees ♪
140 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ③ performance test with : Hala Al Turk ♪
141 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ③ performance test with : Aseel ♪Sahar Layali
142 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ③ performance test with : Mai Kamal ♪ Betzakarak Bel Khareef
143 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ③ performance test with : VLDAN DEMR ♪ HAYAT
144 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ③ performance test with : Elyanna ♪ Enta Eih
145 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ③ performance test with : Shaimaa Elmaghraby♪Aalwluk 3any
ウエスタン黄金期(銀モノ)トランス破格の高音質の理由は、革新的発明の粋ともいえるウエスタン秘伝の合金・冶金レシピで作られたパーマロイ系磁性体のコア性能に多くを負っている、と言うのがどうやら真相らしい。それまでの黒モノ・トランスで採用された純鉄系磁性体コアの「ソリッドで緻密な」表現とは一線を画す「ワイドレンジで伸びやか、開放的な表現」が特徴である。
本品は、REPEATING TRANS(リピーティング・トランス)150B 銀塗装品である。 600Ωという低インピーダンスラインに投入できるトランス。注目はそのDCR(直流抵抗値)。数値が極めて低いのはコイルの巻数が少ないということ。言い換えれば、新機軸のパーマロイ系コアの磁気特性が純鉄系のそれよりも革新的で優秀であることの証であろう。
以下がカタログデーター。
REP.150B
インピーダンス 基本 ( 600 ohm : 1200 ohm )
*1次巻が1セクション巻、2次巻が2セクション巻。
*各セクション・コイルの接続使用を並列、ハーフ(半分)、直列にすることで「インピーダンスの変更」が可能。
*(600 ohm : 300/600/1200 ohm)
*昇圧・降圧使用が可能。例えば、<600 ohm : 1200 ohm>ならインピダンス比は<1:2>、巻線比=昇圧比は約1.4倍となる。MCカートリッジの昇圧も可能。また、< 1200 ohm : 600 ohm>逆使いで600 ohmラインにゲイン減衰信号を送ることも出来る。
DCR=直流抵抗値 ( 9.9ohm : 27.6 ohm )
周波数レンジ ( 4000~10,000 cps )
気になるのはその周波数レンジの表記。帯域下限数値が4000 Hz。低音が痩せるイメージを想像させるが、低音域が不足する傾向はない。数値に惑わされるなかれ。4000辺りからなだらかに下降するという意味であって、急峻ではない。トランスのパフォーマンスを確認する上で数値はあくまでも手掛かりに過ぎない。実際の出音こそが重要である。音で判断すれば良いのである。科学はエビデンス=証拠、が全てである。机上の理論や能書きは後からついて来るもの。YouTubeの動画確認は良いアイデアだと思う。高性能マイクでなくともiphonのオマケマイクで充分に判定が可能であるのは先の動画を見れば分かるだろう。
テストは以下の環境で行なった。
鰐口クリップ付きのWEワイアーでトランスと変換BOXとの間に「簡易配線」を施し、同時出品の 600Ω平衡伝送プリ 後段に投入している。600Ωプリのライン出力とのインピーダンス・マッチングの為にトランスのOUT側(2次側1200 ohm)を1.2KΩの抵抗で終端している。100KΩハイ・インピーダンス入力の真空管アンプ(QUAD22プリ・TAPE IN)で受ける際にはこのような手当が音パフォーマンスの正否を決める。手当が有ると無いとでは評価の明暗が分かれる。トランスと云うものは、ただ投入しただけでは道具としての要件は成立しない。然るべき処置が施されないと反射効果によって音が暴れたり再生周波数が乱れたり、却って悪い印象や結果を招く場合がある。道具は使う理由や意味にこそ価値がある。正確な運用知識がなければ使いこなせないと心すべきである。何よりもトランスは各種環境電磁波を防ぐしっかりした鉄函のケーシングを施すべきである。アルミ材や木材は避けるべきである。然るべきケーシングをすると、音はよりハイスピードで鮮明になる。簡易配線はデモに過ぎない。簡易配線でも、これだけ良い音が出れば充分じゃないかとお考えの方は、富士山の頂上を目指しながら八合目で登頂を断念するに等しい。最高のパフォーマンス体験を目前にしながら機会を逸失している。トランスは鉄函に入れることが必須である。お間違えの無きよう。
いかにもマニアライクで実験的なこの 風体 は、嘗て1960年代のモータウン・レコード内の録音現場で見られたであろう光景そのものだ。黒人アーティスト達がレスポールのピックアップ信号をダイレクトにミキサー卓に送り込む際にラインに挿入していたのがWesternElectric製のRepeatingトランスだった。魁のアイデアと実験道具は発展途上であった。彼らは独自に目ぼしい道具(WEトランス等)をジャンク市や蚤の市で調達し録音現場に持ち込んだ。道具を替えてはその都度にわか配線を施し、その妙なる効果を確かめながら試行錯誤を繰り返しながらチャレンジを続けていた。録音エンジニアと音楽家が共同でユニークなオリジナル・サウンドを確立していった。後に「デトロイト・サウンド」あるいは「モータウン・サウンド」と呼ばれるようになった美しくディープな響の肝はライン・トランスの整音効果でもあったとされる。音楽録音にトランスを用いるこうした手法は全米各地の音楽シーンで模倣されていたようだ。ナッシュビル、フィラデルフィア、メンフィス、セントルイス、ニューオリンズ等々。ゴスペル系音楽を専門に流していた FM局でも放送施設の信号送り出しのエンドに WEのライン・トランスが整音目的で使われていたと言う。当時はライセンスの関係で開封禁止と記され、放送関係者であっても誰も中身を見ることが出来なかった謎めいた「ブラックボックス」内の本尊がそれ(REPトランス WEーREP111C)と分かったのは後年のことだったと云う逸話が残っている。アナログ・サウンドにライン・トランスを起用する歴史は古い。起源は、おそらくは1920年代終わりの「トーキー」から1930年代の「ハイファイ」の時代に既に実践応用されていたとみるべきだろうが、これについては裏ずける資料は残念ながら見付けられなかった。当時のウエスタンの秘密主義とライセンス契約の後遺症が理由だと思う。しかしながら、当時流行ったトランス結合アンプの見事な音パフォーマンスを実感できる者なら誰しもその手法の応用を考えただろう。現代でも市場に出回る玉数が多いせいもあって比較的手に入りやすいWE-REP111Cはデジタル録音現場で今尚重宝されているという話をよく聞く。お試しあれ。レスポールやボーカルの録音、マスタリング、そして DI BOXにも本品 WE150Bをおすすめする。
「銀」塗装されたトランス個体が全てウエスタン黄金期の1930~40年代の個体とは限らない。ご注意願いたい。「ウエスタン神話」が世界に蔓延すると当然後天的に贋作や偽物、偽装品の類も市場に流通拡散するようになる。これは世の常であり、致し方ない。擬似塗装のウエスタン個体が後を絶たない。大量生産品のグレーモデルに「錆止め」と称して、銀色や黒色の塗料で上塗り塗装された個体群が溢れているのが現状である。時には「 Western Electric MADE IN USA 」の偽物金色シールが貼られている。シールは中国製のコピー商品で、デザインも数タイプ用意され、5~10枚単位で安く手に入る。使用に際して、そのシールを年代に合わせ古く見せるために、擦ったり部分的にシールの欠損や剥がれ、汚れを演出するなどの手の込んだ手法が用いられることもある。型番が同じなら品質に大差ないだろうとは素人の考え。製造年代が異なれば投入素材の質やレシピも異なる、当然音も異なる。ウエスタン通のベテランマニアならば簡易実装配線して実際にその音を聴けば即座に当該個体の真贋の判断は出来る。しかしながら経験値を持たない素人では音を聴いても判断は難しいだろう。ましてやその外観だけで年代と真贋、偽装やエセ塗装の判定を求めるのは難しいと思う。これは経験を積むしかないだろう。ウエスタン機器・部品を取り巻く環境は誠に胡散臭く、いかがわしいと心すべきである。